着物と比べると意識する機会は少ないものの、帯にも価値の高い帯や「格」の高い帯があります。価値の高い帯は中古市場でも高値で取引されることがあるため、どのような帯が高い帯なのかを把握しておくことは大切です。

この記事では帯の特徴や形状、素材などから高い帯を見分ける方法を解説します。帯を高く買取してもらう方法も併せてご紹介しますので、帯の処分を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

高い帯の見分け方

着物を着用する際、着物と帯の格式の高さを合わせるのが一般的なルールです。一方で、帯の格式の見分け方がよく分からないという人もいるでしょう。

ここでは、4つのポイントから帯の価値の見分け方を解説します。

証紙が付いている帯

証紙とは、帯の産地や品質などの価値を表す証明書のことです。着物組合の名前やロゴが入っている小さな布地が、帯の端に貼り付けられているのを見たことある人もいるでしょう。

伝統工芸品の組合や有名産地などが発行する証紙が付いている帯は、特に高い価値があるとされています。

老舗メーカーの帯

代表的な老舗メーカーである川島織物や山口美術織物、河合美術織物などが手がけた帯は人気が高いため、価値が下がりにくいです。信頼感がある有名メーカーを好む人が多く、老舗メーカーが手がけた帯の需要が高いからです。

特に、170年以上の歴史がある京都の老舗である川島織物の帯は非常に人気のため、中古品でも高く買取してもらえる可能性があります。帯のメーカー名は、落款で確認可能です。

有名作家の帯

有名作家が手がけた帯の価値も高いです。特に、北村武資・久保田一竹などの人間国宝に選ばれた作家が手がけた帯は、新品での販売価格が高いのはもちろん、中古市場でも高い価格で取引されています。

有名作家の帯かどうかを判断するために確認するのが、銘や落款と呼ばれる作者の印です。銘や落款の有無で買取価格は変わるため、買取に出す前に確認しておきましょう。

有名産地の帯

産地も帯の価値を見分けるポイントのひとつです。帯の産地を知るためには、証紙を確認します。

帯の三大産地と呼ばれる、京都の西陣・福岡の博多・群馬の桐生で作られた帯は、中古品でも高い需要があります。

「格」が高い帯の見分け方

帯の価値を見分ける際、帯の「格」に着目する方法もあります。帯の「格」は形状によって判断可能です。ここでは以下の代表的な帯の形状について詳しくご紹介します。

• 丸帯
• 袋帯
• 名古屋帯
• 半幅帯

丸帯

丸帯は、帯の中で最も格が高いとされている形です。芸術性の高い華やかな装飾の物が多く、現在では婚礼衣装や舞妓のだらり帯などに使われています。

幅は約68センチ、長さは約4.5メートルもあります。中に芯が入っているため大きくて重たいのが特徴です。

また、装飾性が高いことや裏表両面に柄が入っていることから、非常に高価な物が多いのも丸帯の特徴といえます。そのため、近年では婚礼などの際に、丸帯の代わりとして袋帯が使われることも多くなっています。

袋帯

袋帯は、一般的に使われる帯の中で最も格が高い帯です。元は丸帯を軽量化してより使いやすくするために作られた物です。

1枚の生地をたたんで袋状に織ったり、2枚の生地を縫い合わせたりして作られていることから、袋帯と呼ばれています。長さは4～4.5m程度で帯の端が半分ではなく、一本を通して開いているのが特徴です。

袋帯には2種類の用途があります。金糸や銀糸を使った豪華な袋帯は、結婚式や披露宴、成人式の振袖などのお祝いの場面で使われます。

一方、金糸や銀糸を使わずに個性的な柄や模様をあしらった袋帯は、おしゃれ袋帯と呼ばれており、訪問着などに合わせて使用されています。

礼装からカジュアルな場面まで幅広く着用できる袋帯は、帯の中でも特に人気が高いです。そのため、販売価格・買取価格ともに高くなる傾向にあります。特に、礼装用の豪華な袋帯であれば、高価買取が期待できるでしょう。

名古屋帯

袋帯の次に格が高いのが名古屋帯です。名古屋帯は、袋帯を簡単に結べるよう幅を狭くして簡略化されています。長さは3.6m程度で小紋や袖などの普段使い用の着物に合わせることが多いです。

名古屋帯と袋帯は一見するとよく似ているため、見分けるのが難しいといえます。名古屋帯と袋帯を見分けるポイントは、帯の端が半分に縫われているかといった形状の違い、ならびに長さの違いです。

帯の端が半分になっていれば名古屋帯と判断できますが、もし帯の端が開いている場合は、長さが4m以上であれば袋帯、長さ3.3～3.6mであれば名古屋帯と判断できます。

名古屋帯は普段使い用の帯ということもあり、袋帯などと比べてリーズナブルな価格で購入できる物もあります。

半幅帯

帯の中で最も格が低く、カジュアルに使われる物が半幅帯です。名古屋帯の幅を半分にした物が半幅帯で幅は約15cm、長さは3.6m程度です。

半幅帯の特徴として、結びやすく締め付け感が少ないことが挙げられます。ただし、帯幅が広い他の帯のようなボリューム感は出せません。

普段着である小紋から、よりカジュアルな浴衣などと合わせて使われることが多いです。半幅帯の価格は、他の帯よりもリーズナブルといえます。

帯の素材や柄から「格」を見分ける方法

帯の「格」を決める要素として、素材や柄も重要です。素材や柄から帯の「格」を見分ける方法をご紹介します。

素材

帯の中で最も「格」が高いとされる素材が正絹です。続いて、麻、木綿の順番で「格」が高く、最も「格」が低いとされるのがウール製の帯です。

蚕の繭から採れる生糸を織って作られる正絹は、美しい光沢と滑らかな肌触りが特徴であり、着物でも帯でも最高級の素材とされています。婚礼衣装や成人式の振袖などの礼装でも、正絹が素材として使われることが多いです。

一方、麻や木綿、ウールは丈夫で着心地がよいことが特徴として挙げられます。自宅でお手入れできることもうれしいポイントといえるでしょう。

柄

さまざまな柄の帯がある中で「格」が高いとされているのが、古典柄の帯です。古来の日本で縁起がよいと考えられている物や植物、生き物などをモチーフとしています。

代表的な柄として「鶴・亀」や「七宝」「扇」「松竹梅」などが挙げられます。平安時代から使われているほど歴史ある伝統的な柄です。

古くから愛されてきた古典柄は流行に左右されないため、幅広い年代の人が着用できます。常に安定した需要があるため、中古品の価値が下がりにくいです。

帯を高い金額で売る方法

帯を売る方法として、以下を利用する方法が挙げられます。

• リサイクルショップ
• オークション・フリマサイト
• 着物買取専門店

ここでは、それぞれの方法の特徴やメリット・デメリットなどをご紹介します。

リサイクルショップ

リサイクルショップは家電やブランド品など、さまざまな商品を買取している業者です。リサイクルショップに買取を依頼する際は、着物や帯の買取に対応しているかを事前に確認しましょう。

リサイクルショップを利用するメリットは、手軽に処分できることです。引っ越しなどで帯以外にも処分したい物がある場合、まとめて買取してもらえます。

一方で、リサイクルショップは着物の専門店ではないため、着物に詳しくないスタッフが査定を担当することも考えられます。買取価格の相場を把握していないスタッフが担当した場合には、適正価格で買取してもらえない可能性があることを覚えておきましょう。

オークション・フリマアプリ

オークションやフリマアプリを利用して帯を売ることも可能です。希望の値段を設定できるため、高く売れる可能性があることがオークションやフリマアプリを利用するメリットといえます。

ただし、帯を出品するための写真撮影やコメント作成、購入者とのメッセージのやり取り、梱包・発送などの作業を全て自分で行わなければならないことは、デメリットといえるでしょう。

また、買い手が見つかるまで時間がかかる可能性があることも、デメリットのひとつです。

着物買取専門店

帯を高く売るためにも、着物や小物の買取に特化した着物買取専門店に買取を依頼することをおすすめします。着物買取専門店であれば着物のプロに査定してもらえるため、適正価格で買取されることが期待できます。

ただし、お住まいの地域によっては、自宅近くに着物買取専門店の店舗がない場合もあるでしょう。

着物買取専門店の中には、出張買取や宅配買取を実施している業者もいます。店舗が遠くても帯が売れることや、品物を持ち込む手間が省けることはメリットといえるでしょう。

一方で、出張買取に対応していたとしてもエリア制限を設けている可能性があります。利用する前に自宅が対応エリア内かどうかを確認することが大切です。

まとめ

着物の帯の価値は証紙の有無やメーカー、形状、素材などによって見分けられます。価値が高い帯は、中古品でも高く売れることが期待できるでしょう。

帯を買取してもらうのであれば、価値を正しく見分けてくれる着物買取専門店に依頼するのがおすすめです。

着物買取専門店のおお蔵では、専任のバイヤーが査定を行っています。状態のよい帯はもちろん、状態の悪い帯でも買取してもらえる可能性があります。

また、買取方法に関しても、店頭買取はもちろん、出張買取や宅配買取にも対応しています。買取してもらいたい帯がある場合は、ぜひ相談してみてください。