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ブランド買取のOKURA(おお蔵)トップ コラム ドイツの名門、ランゲ&ゾーネ(A.LANGE&SOHNE)という時計③
ドイツの名門、ランゲ&ゾーネ(A.LANGE&SOHNE)という時計③
2022年07月08日

前回までのあらすじ。
第2次世界大戦の戦火に巻き込まれたランゲ&ゾーネ。時計技師としてのキャリアをスタートさせたばかりのウォルター氏は時計技師学校を一時休学、政府から指示された軍用時計の製造を始める。
終戦直前、伝統と歴史が詰まった本社工房が空襲を受けて全焼。終戦後にランゲ&ゾーネの資産や設備を全て国に取り上げらてしまい、強制労働の危険性から西ドイツへ亡命する。

亡命後、時計工房を設立して再興の機会を当時のIWC社長であるギュンター・ブルームライン氏と共に目指すも、クォーツショックによりあえなく頓挫。
40年に及ぶ長い年月の中、再興を諦めずにいた折にドイツの再統一が実現し、故郷のグラスヒュッテに戻り本社を買い戻し新制A.ランゲ&ゾーネを商標登録し、本社を設立。クォーツショックが落ち着き始めた1994年、再興モデルを発表し見事再興を果たした。

ここまでが前回ご紹介いたしました内容です。
非道にして怒涛の時代を生き延び、再興を実現させたウォルター氏。新制A.ランゲ&ゾーネとしての人生をスタートさせた当時、ウォルター氏は70歳でした。
老いてもなお時計への情熱や創業者の熱意と伝統を守り抜いたウォルター氏の門出でした。


⑦飽くなき向上心。果てしなく続く時計製造への道

(画像引用:公式HP

世界一のマニュファクチュールを再興させたウォルター氏。その後も培ってきた技術力を更に向上させていきますが、突然の別れがウォルター氏を襲います。

2001年10月 ギュンター・ブリュームライン氏 死去。享年58歳。

ランゲ&ゾーネが再興した立役者であり、同時に多くの高級スイス時計ブランドを再興させてきた高級時計業界の重要人物の1人でした。前述のクォーツショック後の機械式時計の人気を復活させたのもギュンター氏の存在が大きかったとも言われています。
58歳という若さでこの世を去ってしまったギュンター氏の存在は、ウォルター氏を始めとしたランゲ&ゾーネにとっても大きな衝撃となりました。しかし、ギュンター氏の熱意や時計への思いまでは無くすことはありませんでした。
ギュンター氏の追い求めた高精度な時計の製造、品質やデザインといったセンスは、今なおランゲ&ゾーネが受け継ぎ、時計へと込められています。

ギュンター氏の存在や残してきた功績は今でも語り継がれており、ギュンター氏無くしてグラスヒュッテを中心としたドイツの時計産業とランゲ&ゾーネの再興はありえなかったと言われております。
ギュンター氏がランゲ&ゾーネに残したのは、再興の協力関係だけでなく、開発指揮を執って生み出した現代まで続く名機とその複雑な機構でした。
IWCと共にリシュモングループの傘下となり、ダトグラフを始めとした自社製クロノグラフキャリバーの開発・発表。ダイヤルの斬新なオフセンターデザインと一般モデルとしては初のアウトサイズデイトも、ギュンター氏が発明し、ランゲ&ゾーネの時計に組み込んだことで、ランゲ&ゾーネの技術力を更に押し上げ、世界にも知ら締めることとなりました。

ギュンター氏との早すぎる別れは悲しくもありますが、ウォルター氏はそこで止まることを良しとせず、ギュンター氏が再興し、残してくれたランゲ&ゾーネを更に発展させるために計画していた、本社工場の買い戻しに成功。第2次世界大戦にて被害を受けてしまった本社工房での時計製造が再開された。
翌年の2002年にはランゲ1にムーンフェイズが搭載されたモデルを発表。これにより機械式高級時計業界に新たなるブームを巻き起こすきっかけを作ることになりました。

2007年にはドレスデンにランゲ&ゾーネの初となる直営店のブティックをオープン。始まりの土地から町と国を復興し、いつしか世界へとその名を轟かせるも時代によって一度は消滅。数々の困難と苦渋を乗り越え、遂に故郷の土を踏み、ランゲ一族は新たな姿となって凱旋することが出来ました。
その後も多数の複雑機構を搭載したモデルはもちろん、新モデルと同時に新たなムーブメントの開発も行い、2012年にはトゥールビヨンと永久カレンダーを搭載したランゲ1を、2013年にはミニッツリピーターやムーンフェイズを始めとした7種類もの複雑機構を搭載したランゲ・グランドコンプリケーションを発表。そして・・・

2017年1月。ウォルター・ランゲ氏、死去。享年92歳

ランゲ&ゾーネは優秀な時計技師はもちろん、経営手腕やデザイン性、美的センスにあふれた人材を数多く輩出しました。ランゲ一族はその類稀なる才能と素質を持ち、今や世界中で愛される時計を世に届けてくれました。
ウォルター氏の他界を受けて、ランゲ&ゾーネはある1本の時計を製造。それはランゲ&ゾーネにとって唯一無二な存在だったウォルター氏と同じ、世界で1本しかない唯一無二な時計でした。

その名も、1815 “ウォルター・ランゲへのオマージュ”。

(画像引用:公式HP

ランゲ&ゾーネ初となるステンレススチールを使用した1点物であり、このために製造されたムーブメントのキャリバーナンバーはL1924。これはウォルター氏が生まれた年であり、型番の297.078にある最初の3桁は誕生日である7月29日から取っています。
この時計は一般販売されることはなく、翌年の2018年にオークションへ出品され落札されました。この時の落札金額は、それまでに出品されたランゲ&ゾーネの時計も含めて最高金額となりました。それら全てはスイスの支援団体に寄付されました。
その後、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドの3モデルを発表。これらは全て数量限定ですが、それらの数字はランゲ&ゾーネの歴史的に重要な出来事にちなんだ販売個数だそうです。

こうして、波乱万丈な人生を送ったウォルター氏の意思を引継ぎ、ランゲ&ゾーネは今日も時計の製造や開発を行っております。そして、今のランゲ&ゾーネの復活を後押ししたギュンター氏の思いもまた、ランゲ&ゾーネの時計に対する理念として受け継がれております。
ギュンター氏は生前、こういう言葉を残したそうです。

『気品のある時計、高級時計、世界最高の時計の製作は、今やスイスのお家芸ではなくなり、今、再びザクセンでも作られるようになりました。そして、私たちは今では敬意を払いつつも自信を持って、【世界最高の時計はスイスで作られると言うけれど、ザクセンでも作っている】と言うことができます。』

ギュンター・ブルームライン氏の言葉を胸に、ランゲ&ゾーネはこれからも芸術的な高精度の機械式時計を作り続けることでしょう・・・。


⑧ランゲ&ゾーネが作り出す至高の時計

ここまでランゲ&ゾーネの歴史を一部抜粋でお届けいたしました。ここからは時系列順にランゲ&ゾーネが製造した代表的な時計たちをご紹介いたします。

ランゲ1

前述致しました1994年のランゲ&ゾーネ再興モデルの1つにして、ランゲ&ゾーネの代表的モデルです。
パテックフィリップやオーデマピゲといった世界三大時計、そこにランゲ&ゾーネとブレゲを足した世界5大時計、その全てにおいてドレスウォッチのラインは古くから存在します。
もちろん5大時計以外のブランドでもドレスウォッチは存在し、各社それぞれにフォーマルな中にも高級感が表れています。
ランゲ1はドレスウォッチの中でも間違いなく最高傑作の1つであり、一目でランゲ1だとわかるデザインはもちろん、私が一番に着目した点は「音」です。高品質・高精度のランゲ1のムーブメントは、ゼンマイを巻いたときの音や時を刻むときにムーブメント内部の音が非常に綺麗で、耳元へ添えるとその音がはっきりと聞こえます。

視認性も高く、時分針と秒針が独立しており、パワーリザーブメーターも搭載。アウトサイズデイト搭載で日付もワンプッシュで変更可。操作性も高いことから、ランゲ&ゾーネのモデルで最も愛されている時計です。

サクソニア

ランゲ1と共に再興モデルとして発表されたもう一つのモデル。こちらもドレスウォッチのラインとなるシンプルなデザインが特徴の時計です。ランゲ1に比べ、文字盤はシンプル。デイト表示のない洗礼さとスモールセコンドの優雅さを兼ね備えたサクソニアは、ランゲ&ゾーネらしいネーミングでもあります。
ランゲ&ゾーネ発祥の地であり、現在も時計製造工場を構える州都をドレスデンに構えるザクサン州からきており、これをラテン語読みするとサクソニアになるそうです。

シースルーバックによるテンプの動きや、ケース素材に18金を使用しているにもかかわらずくどすぎない優美さは、文字盤のシンプルなデザインと時計本来の機能が協調されているからであり、培ってきた伝統と磨き上げられた技術の賜物でしょう。
6時位置にあるスモールセコンドは、長年の歴史を彷彿とするアンティークな雰囲気を感じさせてくれます。

1815

(画像引用:公式HP

モデル名が全て数字という特殊なネーミングのモデル。1815が表すもの、それは創業者であるアドルフ・ランゲ氏が誕生した年であり、創業者の存在や考案し残してきた技術、ドイツ高級時計産業の創始者としての敬意を時計に込めて、それを永遠に残すためのネーミングでした。
再興モデルを発表した翌年に当たる1995年にこちらを発表。当時は現行モデルよりもシンプルでオーソドックスなモデルだったそうです。文字盤のアラビア文字はランゲ氏が愛しこだわったデザインでもあり、しっかりとそれを継承しております。

上記にありますサクソニアと見た目や形が非常に似ておりますが、サクソニアは全ての針とインデックスのバーが同色であり、アラビア数字は使われておりません。1815は全ての針がブルー色でアラビアインデックスのみとなっています。これらの違いがそれぞれのモデルで統一されているため、その日の気分で使い分けることも可能なドレスウォッチと言えます。
創業者への思いが籠っているためか、サクソニアよりも高価な存在として知られております。

リヒャルト・ランゲ

見覚えのある名前をしたモデルかと思います。リヒャルト・ランゲは創業者のアドルフ・ランゲの実子の長男であり、時計技師にして科学者というランゲ&ゾーネを代表する発明家です。
リヒャルト・ランゲはデッキウォッチの発展に大変貢献した功績があり、そのオマージュとしてモデル名に名前が使われました。最高水準となる精度と視認性が特徴であり、かつてリヒャルト氏が製作した科学者や探検家たちが愛用したデッキウォッチの伝統を受け継ぐにふさわしいモデルと言われております。
紹介してきた時計の中で初のローマ数字が文字盤に使われており、クラシックなテイストとリヒャルト・ランゲ独特の美しさが見て感じ取れるかと思います。

こちらもシースルーバックとなっており、文字盤とはまた違った顔がそこにはあります。美しいエングレービングとメカニックな機構が覗けるという、クラシックなのにどこか近代的な様相が人々を魅了し続けており、シンプルゆえにランゲ&ゾーネの中でも比較的安価で購入できる個体もある為、大変オススメなモデルです。

ダトグラフ

文字盤が特徴的なクロノグラフを搭載したモデル。1999年に登場していて、当時はサクソニアの派生モデルという位置づけにあったそうです。
ダトグラフのムーブメントは芸術品のような美しさを持っており、数ある高級時計の中で「最も美しいムーブメントを搭載したモデルの1つ」と言われており、ムーブメントの特集では名前が良く上がり、クロノグラフの特集では世界最高峰のクロノグラフとも称されており、時計ファンからの根強い支持を得ております。

クロノグラフを搭載すると、どうしても文字盤にタキメーターやサブダイヤルが存在する為、デザインや視認性にかけてしまう場合があります。ですが、ランゲ&ゾーネはデイトをあえて12時位置に設置。これによりクロノグラフのサブダイヤルが従来の位置より少し低くなります。この位置配列を絶妙に駆使することでダイヤルとデイトによる綺麗な正三角形、シンメトリー的な配置を生み出しております。
2012年にはリニューアルされ、名前も「ダトグラフ アップ/ダウン」に変更。現在の技術を投入した新たなラインとして今も人気のランゲ&ゾーネを代表するクロノグラフモデルです。

ツァイトベルク

これまで紹介してきた時計とは打って変わって特殊な文字盤をしているモデルです。こちらは比較的新しい登場で、2009年に発表されたモデルでありながら、ランゲ&ゾーネの中でも屈指の希少性を持つモデルの1つです。
ランゲ&ゾーネのモデルの中でデジタル式時刻表示を初めて搭載した機械式腕時計で、時間と分が瞬時に切り替わる数字によって表示されることで、常に鮮明に時間を読み取ることができるという特徴があります。機械式でありながらデジタル表示という今までにないデザインは革新的な試みであり、過去にも例はあったもののランゲ&ゾーネ以外では認知度はあまり高くないようです。
そのうえ、マニュファクチュールであるため製造から開発まで全てが自社製造。複雑な機構を搭載した時計の数々を作り上げてきたからこそ出来る、もはや時計というよりは作品と言えるのではないでしょうか。

また、こちらは昨年の春ごろを境に生産が終了してしまったため、現在ではブティックでも購入が不可能となっており、より一層の希少性が高いモデルとして知られております。
過去にこの時計を所有していた元タレントで現youtuberの宮迫博之さんは、この時計を一度は盗難にあってしまった事で手元から離れてしまいましたが、後に同じく人気youtuberのヒカルさんから誕生日プレゼントとして贈呈され、その際に感激のあまりに涙を流しながらこの時計への強い思い入れを語りました。
一度目にしたら忘れられないデザインの時計、もしお目にかかる機会がありましたら是非とも手に取って見てみることをおススメいたします。

オデュッセウス

(画像引用:公式HP

2019年に突如発表されたランゲ&ゾーネとしては初となるスポーツウォッチ。これまでに多数のモデルが発表されてきましたが、この発表には時計業界でもかなりの反響が起こったそうです。
ケース素材に18金やプラチナを使用してきたランゲ&ゾーネが、スポーツモデルに合わせてレギュラーモデル初となるステンレススチールとチタンを採用。他社のスポーツウォッチに並ぶ新たなラインとして登場し、防水性も高く、ねじ込み式のリューズを採用と、これまでのランゲ&ゾーネにはなかった仕様がなされているモデルとなっております。

スポーツウォッチが現代は定番でもあるため、時代に合ったモデルの中にあるランゲ&ゾーネの伝統と技術が詰まっているため、多くの注目が集まるのは当然と言えるでしょう。翌年の2020年にはホワイトゴールドが素材として追加され、それにより革ベルトもしくはラバーベルトが付属品として付いてくることもあり、時計1つで様々な様相を垣間見ることもできます。ラバーベルトはランゲ&ゾーネにとっても初の試みでもあるため、オデュッセウスは全てにおいてランゲ&ゾーネの新たなる世界の始まりに過ぎないのかもしれません。

他にも複雑機構を搭載した特別なモデルや、廃番となってしまったモデルも存在します。
その中でもランゲ&ゾーネが最もこだわった部分がムーブメントです。一切の妥協を許さず、ムーブメントの設計からパーツ製造、組み立てまでを一貫して行っているメーカーは非常に限られています。また、ムーブメントの種類はモデルの種類と同じであるという点が最大の強みです。

主だった時計メーカーでは機能が同じであればそのムーブメントを搭載して使い回すことは普通のことです。ですが、ランゲ&ゾーネはランゲ1にはランゲ1だけの、サクソニアにはサクソニアだけの、オデュッセウスにはオデュッセウスだけのムーブメントを一から製造し、専用のムーブメントとして搭載させます。
当然これには莫大な手間とコストがかかります。しかし、新作発表をすること=新作ムーブメントも同時に発表される、ということにもつながるため、ランゲ&ゾーネのこういったこだわりは各時計メーカーにとって最も尊敬される部分となります。


⑨総括

いかがでしたでしょうか? 3回にわたりランゲ&ゾーネについてお話させていただきました。
私は最初、時計について全く興味がありませんでした。ですが、時代の流れなのでしょうか、様々なメディアで取り上げられることで知る機会も増え、いつしか没頭する新たな存在となりました。今ではコレが欲しいアレが欲しいという考えが溢れ出ており、時計を買うことが1つの夢になっております。
高精度にして高品質のムーブメント、芸術性や繊細なデザインが溢れるフェイス、神秘的な輝きの中に聞こえてくる時を刻む音、その全てが今では私に大きな癒しを与えてくれます。

時計は身に着ける物ですが、昨今の時計ブームにより収集される方や並べて眺める方、観賞用として専用のウォッチケースに入れておく方もいらっしゃり、時計1つでたくさんの楽しみや癒しが生まれます。
高級な物は敷居が高くて近づきにくく感じるかもしれませんが、一度お手に取って頂ければきっとイメージも変わると思います。知識の有無や所有数に関わらず、時計の存在は誰にとっても平等です。欲しいという気持ちだけお持ちであれば、それでよろしいと思います。

そんな一生涯物の時計となるランゲ&ゾーネは、これからも世界中の時計ファンを楽しませてくれることでしょう。

投稿者プロフィール

小山 亮介
OKURA事業部、販促企画担当。
大学卒業後、接客業を経てOKURAへ入社。
youtuberの時計企画で時計の魅力に染まり、店舗在籍時は時計担当に従事。
好きなブランドはウブロ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ランゲ&ゾーネ、ロレックス
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