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ダイバーズウォッチの世界を調べてみた①
2022年08月10日

気が付くと、外は炎天下の夏が到来しておりました。
今年は特に梅雨明けが例年を大きく上回る速さで訪れたことで、暑い日々を多く感じるかと思います。

そんな暑い日には、やはりマリンスポーツやレジャーに行きたくなるのが、常かと思います。
マリンスポーツと言えば、やはりダイビングやサーフィン、ヨットなどが思いつくかと思います。私が幼いころは、父親がジェットスキーの免許を持っていたこともあり、夏休みになると毎週のように父親についていって水上を走り回っていました。

さて、そんなマリンスポーツが本番となったこの時期ですが、私はふと疑問に思ったことがありました。
歴は浅いですが、私は時計が好きでいろいろと調べることが日課となっていました。そして毎年夏になるとロレックスのサブマリーナやシードゥエラーを中心に、ダイバーズウォッチを探しに来られるスポーティな方をよく接客することがあります。
お客様へは使用用途をお聞きした上で機能性や実用性、付属品や状態といった基本情報をお伝えしてご検討を頂いてきましたが・・・

〇ダイバーズウォッチとはどのようなものなのか?
〇歴史的に見るとどういった経緯があるのか?
〇そもそも他とはどういった違いがあるのか?

そのような疑問を持ったため、軽く調べてみました。
結構興味深い内容もあれば、時計の技術というのはすごいなと思い知らされた情報もありました。

今回は、そんな夏真っ盛りな今だからこそ活躍するダイバーズウォッチについて、お話させていただきたいと思います。
サマースポーツの相棒を探すのは今からでも十分間に合います。皆様の参考になれれば幸いでございます。

早速行ってみましょう!!!

 


①ダイバーズウォッチに繋がる防水性能の歴史

時計と言えば、以前もご紹介いたしましたヴァシュロン・コンスタンタンからもありますように、元々は置時計や掛け時計だったものを持ち運べるように開発されたものが、懐中時計でした。
懐中時計は腕時計と違い、身に着けるのではなく小型化してポケットなどに入れて持ち運びができる時計という位置づけでした。そこから派生して、バンドを付けることで身に着けることが可能となり、現代まで続く腕時計という形に進化してきました。

腕時計として進化した過程で、懐中時計のように服のポケットに収めて使うというスタイルから、つねに外的な環境のもとで使うというスタイルになったことで、水分や空気中の湿気、ほこり、もっと突き詰めると肌に生じる汗や皮脂などが時計のケース内部に入り込むというリスクが生まれます。精密機器である内部ムーブメントには、それらが多少なりともダメージを与えることは皆様もご納得いただけることかと思います。
そこで、外部からの様々な影響を与えないようにするための気密性の高い腕時計のケースが必要とされてきました。

写真引用:公式HP (メルセデス・グライツ)

そんな折に発表されたのが、時計界の王様であるロレックスのとあるシリーズでした。それが、ロレックスオイスターというものでした。
当時、ロレックスはオイスター社というイギリスの会社を買収致しました。そのオイスター社というのが、ケース内部にほこりや水の侵入を防ぐオイスターケースの開発をしていました。牡蠣(オイスター)の殻のように高い気密性を誇ることからその名前が付き、ロレックスが発表した3大機構の1つとして挙げられています。
1926年にオイスターケースを発表し、同年には特許申請も行ってます。

このシリーズにより、ロレックスは世界初となる防水性能を搭載した腕時計を発表したとして、時計業界の歴史に名作を遺すこととなりました。翌年の1927年には、イギリス人女性である『メルセデス・グライツ』という秘書を生業にしていた方が、イギリス人女性初となるドーバー海峡を横断する偉業を達成。ドーバー海峡を横断するのにかかった時間は、何と15時間を超えたそうです。
この時、グライツ氏が腕に着けていた時計こそ、ロレックスのオイスターだったのです。この偉業が達成されたと同時に、ロレックスのオイスターという時計の性能を世界中に知らしめることにもなりました。

オイスターケースは金属のかたまりをケース状に形を削りながら生成し、裏蓋とリューズをねじ込み式にすることで内部を密封状態にする、という特徴を持ちます。ケースに繋ぎ目がないことで密封性が高まり、更にねじ込み式のリューズにすることでケース内部に異物や水の侵入を確実なまでに防ぐことが出来ます。
ドーバー海峡横断によりその性能が証明された後、ショーウィンドウでは驚きの展開がされてました。なんと防水性能を証明するために水槽に入れられたオイスターが展示されていたそうです。これにはさすがにショーウィンドウ前を行き交う人々も驚いたことでしょう。

こうして世界初の防水性能を搭載した時計は、大々的な宣伝と実践証言によりその性能は証明されました。非常に頑丈な作りでありつつ、ねじ込みを解除するだけで修理や点検もできるという利点は大きく、常用するのにも適したまさに画期的な時計でもありました。その後は高山の登山家や深海の探検家など、数多くの劣悪な環境に挑む者たちや、粉塵やほこりが激しく舞う工場に勤務する者たちに最適な時計として選ばれ、多大なる信頼を得ることとなりました。
今思えば、これがロレックス神話の始まりであったと言えるのではないでしょうか?

ちなみに、発売当初のオイスターは現行モデルのようなラウンドフェイスではなく、クッションフェイスという丸みを帯びた四角形をしていました。座布団を思い浮かべて頂けると分かりやすいかと思います。

オイスターの登場は大胆かつ衝撃的な宣伝でしたが、オイスターは厳密に言うとダイバーズウォッチとは違います。ダイバーという名の通り、潜水環境に適したモデルではなく、あくまで遠泳という環境下でも故障することなく動き続けたということが評価された時計だからです。
ダイバーズウォッチは、文字通りダイバーが潜水時に使用する目的で付けるため、防水時計という枠組みには収まりません。
では、ダイバーズウォッチとはどういう物を指すのか?必要な機能や仕組みとはいったい何なのか?そちらに焦点を当ててみましょう。


②ダイバーズウォッチの仕組みや性能


写真引用:公式HP (型番:6204)

ダイバーズウォッチにおいて必要な条件は3つ。防水性が高いケースを使用、視認性に優れたデザインを起用、潜水時間を計るための機能、主にこの3つが必要であると考えられている。

防水性に関しては言わずもがなかと思います。人一人ほどの水深であればそこまでの負荷はかかりませんが、水深が深くなればなるほど水圧が増し、圧力が強くかかるという仕組みはご理解されているかと思います。
また、水中での身動きは地上とは大きく違いがあります。水圧や抵抗によって思い通りに動くことが出来ないうえ、水中には岩場などの様々な障害物といった弊害があります。そういった様々な圧力や外的要因に耐えうる堅牢性が求められるため、チタンやカーボンといった軽くて頑丈な素材や、定番素材であるステンレススチールもケース素材に採用されています。
また、ヘリウムガスエスケープバルブという機能がございます。この仕組みは高い防水性を誇るダイバーズウォッチのほとんどに搭載されています。なぜこのような機能が搭載されているのか?それは、潜水の種類によっては必要となる機能だからです。

潜水士が行う深海へ潜水することを、飽和潜水と言います。水深100mを超える深海への潜水を行う場合、深海の圧力に体が耐えられるように慣らしてから潜水を行う技術のことを指します。
水深が深くなるにつれ、体に及ぶ水圧は増えていきます。その影響で体内に存在する様々なガスが体に溶け込む現象が起こり、浮上して水圧が薄れていくと体内に溶け込んだガスが血管などから排出されて体外に出ようとします。その際に水面に向かって浮上のスピードが速すぎたりすると、血管内のガスが気泡となり血管を破裂させてしまう恐れがあります。
この時、体内に蓄積しているガスの量を最大量まで取り込むことを飽和状態と言い、この状態にしておくことで安全性や効率性が高まるそうです。この手法を飽和潜水と言うそうです。

飽和潜水の原理は何となくお分かりになられたかと思います。では、体内のガスが影響するならばどんなガスが効果的なのか?それこそがヘリウムガスなので。
基本的に、空気中の割合で窒素が占める割合は8割と言われております。窒素というのは潜水が40mを超えてくると麻酔作用を引き起こすそうです。この状態になると飲酒時のような作用を引き起こし、判断力の低下や方向感覚の低下が発生します。よって、窒素以外のガスを体内に取り入れなければなりません。そこでヘリウムガスを使用することが最も安全性が高いと言われています。
ヘリウムガスには窒素のような麻酔作用が起こらず、体に溶け込む量が少ないため血管内で気泡が発生しにくい性質を持ちます。他にも体外へ排出されるスピードも速いので人体への影響も少ないため、中毒症状も起こらないことから、気体と配合させて使用されます。

こうして体内に蓄積されたヘリウムを含めたガスは、飽和状態まで潜水をした後に浮上する際は体内から排出してから浮上しなければいけないのですが、これには長い時間をかけなければなりません。
ヘリウムは非常に小さい物質なため、体内から排出中に時計の隙間から内部に入り込んでしまい、高圧状態で入り込んだヘリウムも高圧状態で時計内に残ります。その後の浮上時に周りの気圧が下がると時計内部の気圧は外よりも大きくなるため、この状態になると時計本体の強度が耐え切れなくなり破裂してしまいます。
このように、潜水をするにあたって多くの状況変化や複雑な環境下にあるため、時計内に入り込んだヘリウムを外へ排出する為に作られた仕組みがヘリウムガスエスケープバルブなのです。破損した時計の破片はダイバーにとって非常に危険なため、なくてはならない機能と言えるでしょう。

潜水時間を計る機構は、まず第一にダイビングをするうえで欠かせない道具として、酸素ボンベとの関係がとても深いです。
様々な環境下において変化は致しますが、一般的にダイビングをする際に使用される酸素ボンベは40分前後が使用可能時間となっています。そのため、酸素ボンベの残量を明確に計るための機能がダイバーズウォッチには搭載されています。それが回転ベゼルです。
回転ベゼルにはダイヤル同様に1分刻みの印、モデルやブランド次第では20分までのところに視認性の高い明るめの色(オレンジや黄色など)を使用しています。0が書かれたマークを潜り始めたときの長針位置まで回転させることで、そこから長針が動いた時間だけ潜水しているという時間確認ができます。加えて、仮にダイビングの際に使用する酸素ボンベの使用可能時間が事前に分かっていた場合、時間計測の役割も果たしてくれます。

こちらの回転ベゼルですが、往々にしてダイバーズウォッチの場合ですと逆回転防止も付随しています。
水圧ないしは岩場や人体等が時計に接触した際、誤ってベゼルが戻ってしまい、本来の予定していた潜水時間を過ぎてしまうという不慮の事故を起こす危険性を可能な限り下げるために搭載されています。
ちなみに、逆回転防止はこれ以外にも、その原理上から防水性の強化にも繋がっています。1つの方向にのみ回転するということは、それだけ限られたパーツのみが駆動することで隙間を無くす効果もあるからです。
計算されて設計されているダイバーズウォッチは、機能とデザインがしっかり融合しているため、無骨さも少なくカジュアルな印象を与えてくれます。

視認性に関しては、上記のようにベゼルに明るい色をつけて時間を正確に読み解く以外にも、ダイヤルへの工夫が施されております。
普段は陽の光の下で時計を扱っていますが、海に差している太陽光は途中で届かなくなります。よほどきれいな海であったとしても、日差しが届くのは200mほどだと言われています。全ての海が同じ条件ではない為、ほとんどの海では200mも届かないでしょう。そのため、深海と呼ばれるのは200mからと言われています。
潜る深さによっては太陽の光が差さない為、暗闇では当然視界も悪くなります。そのため、ダイバーズウォッチにはインデックスと針に夜光塗料が使われています。昔は『トリチウム』という夜光塗料が主流でしたが、放射性物質を含んでいることから今は廃止されています。現在は日本の会社が製造している『ルミノバ』という夜光塗料が主に使われているそうです。

なお、ロレックスに関しては2007年に一部のモデルでクロマライトというロレックスが開発した独自の夜光塗料の使用を開始しており、現在はロレックス全てのモデルにクロマライトが使用されています。
ルミノバの夜光効果は約4時間、クロマライトの夜光時間は約8時間と、共にダイビングをするには十分な発光時間を持っています。

以上が大まかなダイバーズウォッチに搭載されている機能です。特にヘリウムガスエスケープバルブは、搭載されているモデルの全てが深海の最深部へと潜るのに適した機能であり、プロダイバーと呼ばれる方が愛用する時計と言えます。
現在ではダイバー以外の方もそのデザイン性や見た目のインパクトから愛用者が増えており、主に強靭な肉体を持つアスリートや、腕周りが太い肉体派のハリウッドアクション俳優の方たちにも愛されています。


③ダイバーズウォッチの誕生


写真引用:webChronos (マリーン)

ここで話をダイバーズウォッチの歴史に戻します。
ロレックスのオイスターが発売され、防水性能を搭載した時計の開発が時計各社でも行わるようになりました。現在でもモデルチェンジを繰り返して性能を上げている防水時計で、皆様も聞き馴染みがあるであろうブランドですと、オメガやパネライではないでしょうか?
1939年にオメガは防水性能を搭載したマリーンという時計を発表。同時期にティソという時計ブランドもアクアスポーツという時計を発表しています。各社は当時、合併をしていたという背景があり、両社の関係性からティソのアクアスポーツはオメガのケースにティソのムーブメントを使用しており、マリーンもアクアスポーツも同じスクエアフェイスでした。

オメガのマリーンは発表後に巻き起こった第二次世界大戦の際に、イギリス軍へ向けた供給も行っておりました。その後の1948年、オメガ創業100周年という節目の年でもあり、現在も人気モデルの一つとして愛されている初代シーマスターが誕生した年でもありました。
当時のシーマスターはまだダイバーズウォッチとしてではなく、日常以外の海や山でも使用が可能であるという万能モデルとして発表されました。防水性能が高い上にデザインもスマートなものだったことから需要も高まり、様々な派生モデルが誕生することになったオメガの代表モデルでもあり、後にダイバーズモデルが発表された幅広いモデルでもあります。

こうしたデザイン性の高いモデルの中で、パネライは防水技術に特化した非常にシンプルなミリタリー時計を開発していました。イタリアの国防省より要請を受けて海軍の特殊潜水部隊向けの時計を製造していました。その際に蛍光塗料であるラジオミールを使用した腕時計であるラジオミールは、世界で初のプロフェッショナルダイバーズウォッチと言われています。
当時のパネライは軍用時計専門であったため、一般販売されたのは更に後年になります。そのため、市販品として一般化した最初のダイバーズウォッチではありませんでした。


写真引用:webChronos (フィフティ ファゾムス)

こうした時計業界の流れの中、遂に一般化されたダイバーズウォッチがこの世に登場しました。
それこそが、ブランパンが製造したダイバーズウォッチ、その名も「フィフティ ファゾムス」です。
この時計が生まれたきっかけは、当時のCEOであるジャン-ジャック・フィスター氏のとある経験からだったそうです。
ジャック氏の趣味はスキューバダイビングだったそうで、ある日いつものようにダイビングを楽しんでいました。ところが、ダイビングに夢中になってしまったがばかりに酸素ボンベの残量に気づかず、水中で使い切ってしまったそうです。危うく命を落としてしまうような危険な事態の中から何とか生還したジャック氏は、この経験をもとにダイビング中でも時間が正しく読める時計を作ろうと決意したそうです。
ジャック氏はより優れたダイバーズウォッチを完成させるべく、フランスの潜水部隊を率いる軍人に水中で行動するプロフェッショナルとしての視点や意見から開発を進めました。

そして1953年、ブランパンが発表したのがフィフティ ファゾムスでした。夜光塗料を使用した針とインデックス、分数をメモリにした回転ベゼル、使用中に誤ってベゼルが動くのを防ぐロック機構といった現在のダイバーズウォッチに搭載されている機能が使われていました。
フィフティ ファゾムスはフランスの海軍が設けた軍用時計の基準を完璧なまでにクリアしていたため、そのまま正式採用されただけでなく、アメリカやドイツといった各国の海軍がその性能を評価したそうです。その後アメリカの海軍用に別のモデルが製造され、それには軍から要請された水の侵入を知らせる機能も搭載されていたそうです。

こうして、ダイバーズウォッチという新たなジャンルが誕生しました。
奇しくも1953年というのは、オイスターを発表したロレックスからもダイバーズウォッチが発表されております。それがあの有名なサブマリーナでした。
ダイバーズウォッチとしての知名度は群を抜いてサブマリーナの方が高いため、世界で最初の市販化されたダイバーズウォッチはサブマリーナと認識されている方は多くいらっしゃるかと思います。もちろんサブマリーナも優秀なダイバーズウォッチであり、オイスターよりも防水性能は格段に上がり、潜水中の時間を計測できる回転ベゼルや視認性の高いブラックダイヤルを搭載している優れモノでした。
フィフティ ファゾムスとサブマリーナの性能や機能は全く同じであったため、どちらを初と捉えるかは大変難しい内容です。ですが、どちらも歴史のある素晴らしい時計には違いありません。
初かどうかではなく、1つの優秀な時計として、どちらも愛されるべき存在であると言えるでしょう。

 


本日は一旦ここまで。
こうして見るとダイバーズウォッチや防水性能を備えた時計というのは結構古くから存在していたんだなと感じました。
私が生まれたころはバブル真っただ中の時代でした。当時は中古のロレックスが手巻きデイトナでも80万前後という今では考えられないような値段で売られていました。その時代では当たり前のように買えていたそうで、サブマリーナも簡単に購入できた時代だったとか。今では考えられないですね。

次回はダイバーズウォッチを変えた進化の歴史を辿っていきたいと思います。

次回へ続く

投稿者プロフィール

小山 亮介
OKURA事業部、販促企画担当。
大学卒業後、接客業を経てOKURAへ入社。
youtuberの時計企画で時計の魅力に染まり、店舗在籍時は時計担当に従事。
好きなブランドはウブロ、ヴァシュロン・コンスタンタン、ランゲ&ゾーネ、ロレックス
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