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冬に着物を着たいが、寒いという理由で躊躇している人もいるでしょう。せっかくの着物を寒いという理由で着られないのはもったいないといえます。また冬は成人式や卒業式など、着物を着るイベントが多い時期でもあります。
この記事では寒い冬に着物を着る際におすすめの防寒対策をご紹介します。また冬向けの着物の素材や、防寒対策する際に注意すべきポイントなども併せてご紹介するため、ぜひ参考にしてください。
寒い冬に着物を着る際のおすすめの防寒対策とは
秋や冬の寒い日などに着物を着る際は、防寒対策することで快適に過ごせます。ここでは着物の防寒対策についてご紹介します。
重ね着をする
普段着ている洋服と同様、重ね着することも防寒対策の一つです。ここでは着物の上に重ね着できる4つのアイテムについて、特徴や使い方などをご紹介します。
1:道行
「道行」は外出時に着用する礼装用のコートです。衿が角ばっている点が特徴として挙げられます。丈の長さに関しては、五分や七分の物が一般的です。道行は礼装である振袖や留袖と合わせて、フォーマルな場面で着られる傾向にあります。ただし、紬の道行であれば、礼装以外の着物と一緒に着ることも可能です。
布一枚で仕立てられた道行を「単衣」布が二枚重なった物を「袷」と呼びます。真冬や外にいる時間が長いときなどは、袷の道行を選ぶとより暖かく過ごせるでしょう。
2:道中着
外出用のコートには「道中着」と呼ばれる物もあります。衿が裾の長さまである点が特徴として挙げられます。道行よりもカジュアルな場面で着られることが多いコートです。また着脱が比較的簡単であり、使い勝手がよいことも道中着の特徴といえます。
3:羽織
「羽織」は洋服でいうカーディガンのような位置づけの上着です。外出時だけでなく、室内でも着用できます。ただし、お茶会では羽織も脱ぐのがマナーとされていることには注意が必要です。
羽織はカジュアルな場面で着用されることが多い一方、デザインによってはフォーマルな場面でも着られます。さまざまな素材や柄の羽織があるため、合わせる着物や気候によってコーディネートを楽しめるでしょう。
4:ケープ・ポンチョ
洋服の防寒対策として活用されているケープ・ポンチョは、着物にも合わせられます。袖がないデザインであれば、和装用でなくても着物の上に重ねて着られるでしょう。
ただし、ケープ・ポンチョはカジュアルな場面でしか着られないアイテムであることは、押さえておきたいポイントです。振袖や訪問着などのフォーマルな着物には合わせられない物であることを覚えておきましょう。
インナーを暖かい素材の物にする
洋服と同様、着物を着る際に暖かい素材のインナーを活用するのもおすすめです。インナーに関しては、長襦袢の下に着用しましょう。ただし、インナーの形によっては着物を着た後に胸元や首の後ろ、袖から見えてしまうことがあります。衿ぐりが広い物や袖が短い物を選ぶことが大切です。
また足元が寒い場合は、レギンスや長めの足袋を活用するのも防寒対策としておすすめです。なお歩くときに裾から見えてしまうことがあるため、控えめな色でかつ無地の物を選ぶとよいでしょう。
ストールやショールを巻く
着物は衿を抜いて着付けるため、首元が冷えやすい服装といえます。首元の防寒対策として、ストールやショールを活用しましょう。サイズがより大きいストールの方が着物には合います。なおゆったりと巻きつけることがおしゃれに見せるポイントです。
手袋を着ける
着物は袖口が大きく開いているため、冷気が入りやすいという特徴があります。手先や腕の防寒対策として、手袋やアームウォーマー、ロンググローブなどを活用しましょう。
特に手先から肘までをカバーできるロンググローブは、着物の防寒アイテムとしておすすめです。より暖かさを感じられるウール素材や、高級感があるレザー素材などが着物に合わせやすいでしょう。なお着物と合う色や柄であれば、洋服用のアイテムを活用するのも方法の一つです。
ブーツを履く
着物用の履物といえば、草履や下駄が一般的です。ただし、冬の寒い時期はブーツを履くこともできます。ブーツは足元全体を覆えるため、防寒効果が高い履物といえます。また雪で歩きにくい場合にも、ブーツであれば比較的歩きやすいでしょう。
着物に合わせるブーツはショート丈で、かつできる限り金具や飾りなどがないシンプルなデザインの物を選ぶのがおすすめです。動いたときに金具や飾りが引っかかり、着物が破れてしまう可能性があるためです。
なおブーツを履くとカジュアルな印象になるため、正装時の着用は避けた方がよいでしょう。冬に正装する場合は底の厚い草履を選んだ上で、雨や雪で濡れてしまったときのために替えの足袋を用意しておくことをおすすめします。
寒い冬におすすめの着物の素材は?
冬におすすめの着物の素材は、ウールです。羊毛から作られる天然素材のウールの着物は単衣でも暖かいことから、寒い冬の時期に活躍してくれます。
ウールの着物は価格が比較的安い上に、お手入れを簡単にできることがメリットです。自宅で洗濯できる物も多いため、気軽に着られるでしょう。さらに、ニットや帽子などの小物とも合わせやすいです。
ただし、ウール素材の着物は虫に食われやすいという点に注意しましょう。湿気がこもると虫が発生しやすくなるため、風通しがよい場所に保管することが大切です。なおウール素材の着物は、カジュアルなシーンに向いており、正装には向かない点にも注意しましょう。
着物の防寒対策する際に注意しておきたいこと
しっかりと防寒対策することで、冬でも暖かく着物を着こなせます。なお着物の防寒対策をする際の注意点については、事前に押さえておきましょう。以下では注意点についてご紹介します。
厚みのあるインナーを避ける
着物は重ね着をするため、インナーに厚みがありすぎると苦しくなってしまったり、不格好に見えてしまったりすることがあります。寒い場合は厚みのあるインナーを避け、上着などを重ねることで防寒しましょう。
また着物の防寒対策として厚いインナーがおすすめできない理由の一つに、途中で脱ぐことが難しいという点も挙げられます。屋外から室内に入ったときの気温の変化に対応しにくいです。
貼るカイロは避ける
冬の時期に重宝する貼るカイロですが、着物を着るときには活用しない方がよいといえます。着物に不慣れな場合は着脱が難しく、カイロが熱すぎる際でも簡単には取り外せないためです。また貼るカイロの貼り方や貼った箇所によっては、低温やけどにつながる可能性があります。
ただし、カイロは屋外で過ごすときなどの防寒対策として便利な物です。カイロを持ちたい場合は貼らないタイプを使いましょう。
結婚式ではファー素材を避ける
着物の防寒具の一つとして、ファー素材のショールは人気があります。特に、冬に行われる成人式でよく着用されています。
なお結婚式に出席するのであれば、ファー素材の小物を使うのは避けましょう。殺生を意識させることから、お祝いの席ではファーやフェイクファーなどの防寒具は使わないのがマナーとされているためです。
サブバッグを持つ
防寒対策として着物に羽織物を合わせる際は、サブバッグを用意しておくことをおすすめします。基本的に、室内に入った後は羽織物を脱ぐことがマナーとされており、脱いだ羽織物を収納する必要があるためです。
まとめ
しっかりと防寒対策をすることで、冬の寒い日でも快適に着物を着られます。洋服のアイテムが着物の防寒対策として活用できることもあるでしょう。防寒対策をして寒い日でも着物を楽しみましょう。
なお着る機会がない着物を処分したいと考えている人には、買取してもらうことをおすすめします。着物買取専門店のおお蔵では、さまざまな種類の着物の買取を行っています。相談料や査定料は無料のため、相談だけという人でもお気軽にご連絡ください。
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