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ブランド買取のOKURA(おお蔵)トップ コラム 加賀友禅にはどういった特徴がある?概要や成り立ちについてご紹介
加賀友禅にはどういった特徴がある?概要や成り立ちについてご紹介
2023年02月27日

加賀友禅は、着物の有名ブランドの一つです。着物について詳しくないが、言葉は聞いたことあるという人もいるでしょう。

この記事では加賀友禅の概要や特徴などを詳しくご紹介します。また加賀友禅の歴史についても詳しくご紹介するため、ぜひ参考にしてください。

加賀友禅はどういった着物?

まずはそもそも友禅とは何かという点を解説した上で、加賀友禅とはどういった着物なのかについてご紹介します。

そもそも友禅とは?

友禅とは布地の染色技法の一つです。江戸時代に高い人気を誇っていた扇絵師である宮崎友禅斎が由来とされています。

友禅は、宮崎友禅斎の絵柄を染色によって布地に表現するために誕生しました。従来の染色技法では色を付けたくない部分を糸でくくる方法が一般的です。

一方で、糊を使う友禅では一枚の布地にさまざまな色の染料を使用できます。絵を描くように繊細な染色が可能になることで、多彩なデザインを表現できるようになりました。

加賀友禅とは

加賀友禅とは石川県金沢市で生産されている着物によく使用されている技法です。なお加賀友禅で染められた着物を指すこともあります。代表的な友禅の一つであり「京友禅」「東京友禅」とともに三大友禅と呼ばれています。

加賀友禅と他の友禅の違いとして、防染のために「糸目糊」を使用することが挙げられます。生地に描いた下絵の輪郭に沿って糸目糊を塗ることで、色が混ざり合うのを防ぐことが可能です。

染色後に水洗いすると、糊が付いていた部分が白く浮かび上がります。模様に沿って浮かび上がる白い輪郭を糸目と呼ぶことから、糸目糊という名称が付けられました。草花の葉脈など、加賀友禅の柄では糸目を効果的に使用した物が多く見られます。

加賀友禅の特徴とは

同じ友禅でも産地によって技法に少しずつ違いがあることから、完成した絵柄の印象も異なります。ここでは加賀友禅の特徴を4つご紹介します。

特徴1:加賀五彩

加賀友禅の大きな特徴の一つが、全ての絵柄が加賀五彩と呼ばれる5つの色のみで描かれている点です。「臙脂」「藍」「黄土」「草」「古代紫」の5色と、糸目・ぼかしといった技法を駆使してさまざまな絵柄が描かれています。

なお実際には各色の濃淡を使い分けることで、一つの図案に50もの色味が表現される場合もあるといわれています。

加賀五彩を基調としているため、全体的に落ち着いた色調です。また一人の作家が筆や刷毛を使いつつ手作業で色付けする必要があることから、完成するまでに1年以上かかることがある点も特徴といえるでしょう。

特徴2:外ぼかし

外ぼかしとは模様の輪郭から中心に近づくにつれてぼかしていく、加賀友禅の特徴的な技法です。端に行くほど色を濃くかつ中心を淡く染めることで、立体的で写実的な印象を与えています。

花びら一枚一枚にまで丁寧に手作業でぼかしを入れることにより、独特の柔らかな色合いが生まれます。

ぼかしに関しては、京友禅でも使用されている技法です。ただし、加賀友禅とは違い、京友禅では中心から輪郭に向かってぼかしを入れていきます。ぼかしの入れ方を見ることで、加賀友禅と京友禅を見分けられるでしょう。

特徴3:虫食い

虫食いは加賀友禅以外の友禅ではそれほど見られない、独特の表現技法です。葉の一部にあえて黒く小さな点を描くことで、葉が虫に食われているように見せています。リアリティのある描写により、自然な美しさを表現しています。

特徴4:自然や古典をモチーフにした絵画調の柄

他の友禅と比べると、加賀友禅は植物や動物といった自然をモチーフにした絵柄が多いという点も特徴として挙げられます。特にさまざまな種類の花を籠に飾った「花籠模様」は、加賀友禅の定番の柄です。

なお加賀友禅の絵柄は緻密で写実的なため、絵画のようだと評されることがあります。外ぼかしに加えて、糸目糊により輪郭がはっきりしていることも絵画調に見える理由といえるでしょう。

また刺繍や箔などを使って華やかな印象に仕上げる京友禅と比べると、加賀友禅は落ち着いた印象を与えるといわれています。その理由は絵柄の描かれ方の違いにあります。

例えば、同じ自然の模様でも加賀友禅では草花が小ぶりに描かれることが多いです。華美な物を嫌い、簡素なことや実用的であることなどが重視されている点から武家風と評されることもあります。

加賀友禅の成り立ち

江戸時代に誕生した加賀友禅ですが、原型は15世紀頃まで遡るとされています。ここでは現代に至るまでの加賀友禅の歴史や、発展に大きく寄与した2人の人物などについて詳しくご紹介します。

加賀友禅の原型

15世紀頃から行われていた「梅染」と呼ばれる加賀特有の無地染が、加賀友禅のルーツといわれています。梅染とは梅の木の樹皮や根を煎じてできた染汁を使って生地を染める技法です。

その他にも加賀ではいくつかの染色技法が知られており「お国染」または「加賀染」という総称で呼ばれていました。こういった加賀独自の染色技法と、宮崎友禅斎が生み出した糊を使う技法が組み合わさることで加賀友禅が誕生しました。

現代の加賀友禅

加賀友禅の技法は発展を続けていきましたが、昭和になっても知名度はそれほど高くありませんでした。そういった中、戦争が始まり贅沢品を禁止するために制定された「奢侈(しゃし)禁止令」が加賀友禅にも打撃を与えます。留袖でよく見られる絵羽模様などが贅沢だと判断されていたためです。

加賀友禅が脚光を浴び始めたのは、1953年に行われた宮崎友禅斎生誕300年祭がきっかけでした。また1973年には加賀染振興協会が発足し、品質の安定と向上を目指す取り組みも進められてきました。

さらに1975年には伝統工芸品に指定されており、今や加賀友禅は全国で知られる有名ブランドとして認識されています。

加賀友禅に関わりが深い「宮崎友禅斎」と「木村雨山」

加賀友禅の歴史において欠かせない人物が、宮崎友禅斎と木村雨山です。友禅の創始者ともいわれる宮崎友禅斎は現在の石川県出身で、加賀染を学んだのち京都で人気絵師になりました。京都で友禅を考案した後に加賀へと移り住み、染色技法の指導をしつつ晩年を過ごしたといわれています。

一方で、木村雨山は大正から昭和にかけて活動した着物作家です。1955年に加賀友禅の作家としては初めて、重要無形文化財保持者に指定されました。

重要無形文化財保持者とは、重要無形文化財の分野で優れた技術を持っていると認められた人物のことであり、人間国宝とも呼ばれます。木村雨山が人間国宝に指定されたことは、加賀友禅の知名度を大きく上げるきっかけになったといわれています。

木村雨山の作品に関しては、日本画的な表現技法と加賀友禅の技法を融合させた作風である点が特徴です。また自然や身の周りにある物などを描いた作品が多いことでも知られています。

まとめ

三大友禅の一つである加賀友禅とは石川県金沢市周辺で誕生した染色技法や、その技法が施された着物自体を指す言葉です。他の友禅と比べて、写実的で落ち着いた色使いの絵柄である点が特徴として挙げられます。

なおご家庭に着用する予定のない着物があり、処分に困っている場合や管理が難しい場合などはぜひ着物買取専門店の「おお蔵」へご相談ください。

おお蔵では加賀友禅をはじめ、さまざまな着物の買取を行っています。変色したり黄ばみがあったりする物でも買取対象のため、ぜひお気軽にご利用ください。

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