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洋服と違い、何枚も重ねて着る着物は暑いというイメージを持っている人は多いでしょう。そのイメージから、夏に着物を着るのを避けている人もいるかもしれません。
着物は、しっかりと暑さ対策をすることで、夏でも涼しく着こなすことが可能です。夏向けの素材を使った着物や帯、涼しく過ごせる便利アイテムなどを活用しましょう。
この記事では、夏に着物を着る際の暑さ対策を7つご紹介します。併せて、5〜10月に着る着物の選び方にも触れるので、夏以外の暑い日に着物を着る予定がある人も、ぜひ参考にしてみてください。
夏に着物を着る際の暑さ対策7選
夏に快適に着物を着るためには、暑さ対策をすることが大切です。主な対策方法を7つご紹介します。
涼しい素材の着物を選ぶ
夏に着物を着用する際は通気性がよく、涼しさを感じやすい素材を選びましょう。夏着物と呼ばれる「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」は透け感があり、見た目も涼しげな素材です。
また日常的に着用しやすい素材として「麻」の着物もおすすめです。麻は通気性がよいのに加えて、吸水性が高いという特徴があります。また水洗いできるものが多いため、汗をかきやすい季節でも安心して着用できます。
なお、真夏以外に透け感の強い紗を着ると、季節外れな印象を与える恐れがあるため注意が必要です。
その他、着物は季節だけでなく、着用場面に合わせて素材を選ぶのもポイントです。紗より透けにくい絽は、夏のフォーマルな場面で活用できます。そのため、カジュアルなお出かけでは紗や麻を選び、格式が高い場所へのお出かけでは絽を選ぶとよいでしょう。
帯や帯板も通気性のよいものを選ぶ
夏は帯や帯板も通気性のよいものを使うと、より快適に過ごせます。暑さ対策としては、ヘチマや麻などの素材が定番です。麻やヘチマは帯枕にもよく使われています。
またメッシュ素材の帯もおすすめです。メッシュ素材の帯は通気性がよいだけでなく形崩れしにくいため、着付けがしやすいというメリットもあります。
汗取り下着やインナーを着用する
暑くて汗をかきやすい時期は、吸水性の高い下着やインナーを着用するのがおすすめです。汗のベタベタ感を抑えられる上に、着物が汚れるのを防いでくれます。
和装用にこだわらなければ、さまざまなメーカーから暑さ対策のできる下着が販売されています。普段からエアリズムや汗取りインナーを着用している人は、夏に着物を着る際にも活用してみましょう。
なお、下着も和装に合わせたい人には、あしべ織りの肌着がおすすめです。あしべ織りの肌着を着ると、帯下に縫い込まれた燈芯と呼ばれるスポンジ状の繊維が、汗を吸い取ってくれます。燈芯の分だけ厚みがあるため、補正具が必要ない点も暑さ対策として有効です。
腰回りの補正には大判ガーゼを活用する
夏に着物を着る場合、補正が原因で暑いと感じる人も多いでしょう。腰回りの補正にはタオルではなく、大判のガーゼを使うことも暑さ対策の一つです。
ガーゼは通気性がよく熱がこもりにくいため、おはしょりや帯などで暑さを感じやすい腰回りの蒸れを防いでくれます。大判ガーゼは吸水性が高いため、汗をかいても快適です。
また、補正には着崩れを防ぐ効果があるため、暑い時期でも省略するのは避けましょう。タオルの代わりに大判ガーゼを使うことで、暑さ対策をしながら着物を美しく着こなせます。
保冷材をタオルに包んで持ち歩く
暑い時期に着物を着る際は、ミニタオルやタオルハンカチに保冷剤を包んで持ち歩く方法もおすすめです。タオル地で包めば、保冷剤が溶けて荷物を濡らすのを防げます。カバンやポーチの中に収まるため、持ち運びにも苦労しません。
着物を着ている際に暑さを感じたら、保冷剤を首筋に当てて体温を下げましょう。首筋には太い血管があるため、冷やすことで素早くクールダウンできます。また、タオルに包んだ保冷剤を、着付けの際に胸元に入れる方法も暑さ対策の一つです。
着付けは涼しい場所で行う
涼しい場所で着付けを行うことも暑さ対策につながります。着付けの時点で暑さを感じていると汗をかいたり熱がこもったりするため、着物を着た後にも不快感が続く可能性があります。
そのため、着付けを始める前に冷房で部屋を涼しくしておくのがおすすめです。しばらく冷房がきいた部屋で過ごし、体の熱を取った状態で着付けをするようにしましょう。
なお、着物を楽に着るにはコツを押さえる必要があります。以下では、楽に着るための方法や苦しくなった際の対処法をご紹介しています。
「着物を楽しむために知っておきたい!着物を楽に着る方法とは」
扇子や日傘を活用する
暑い日に着物を着て出かける場合、扇子や日傘の活用も暑さ対策の一つです。扇子を使って顔周りを仰いだり、袖から着物の中へ風を送ったりすることで涼しさを感じられます。なお、扇子は布製より紙製の方が風をつかまえやすいため、扇子を選ぶ際は素材にもこだわるとよいでしょう。
日傘を使うと直射日光を避けられ、体感温度を調整しやすくなります。紫外線対策にもつながるため、日差しの強い日には積極的に取り入れたいアイテムです。折り畳み式タイプであれば、持ち運びもしやすいでしょう。
扇子や日傘は、着物のおしゃれさを引き出すファッションアイテムとしても有効なため、柄や素材にこだわってコーディネートを楽しんでみてはいかがでしょうか。
真夏や暑い時期の着物の選び方
絽や紗、麻などの夏着物は、主に7〜8月に着るのが一般的です。一方で、最近は7〜8月以外にも暑い日が続いており、どのような着物を着るべきか迷う人も多いでしょう。続いては、暑い時期の着物の選び方を月ごとに解説します。
5月:特に暑い日は単衣を選ぶ
5月に着物を着る場合、涼しい日は「袷(あわせ)」を選び、暑い日は「単衣(ひとえ)」を選ぶのがおすすめです。袷には裏地がついていますが、単衣には裏地がついていません。そのため、単衣は袷の着物よりも軽くなっており、風通しがよいです。
一般的に、気温が高くても22度程度の時期(10~5月)は袷が適していますが、5月の暑い日であれば単衣を選ぶとよいでしょう。帯は袷に合わせるものを選べば問題ありませんが、暑さ対策として生地が薄い名古屋帯を選ぶのもおすすめです。
季節感のある黄緑や白などの淡い色を選ぶと、見た目からも涼しさを感じられます。
6月:基本は単衣を選び、暑い日は夏着物を選ぶ
梅雨が始まる6月は単衣の季節ですが、夏着物である絽を着用してもよいでしょう。夏着物の中でも透け感が控えめな絽を選べば、季節に合う見た目で違和感がありません。
なお、6月にフォーマルな場で着物を着る際は、単衣を選びましょう。単衣だと暑い場合は夏用の長襦袢を着たり、大判ガーゼを使用したりと暑さ対策をすることで快適に過ごせます。
夏には浴衣を着る人も多いでしょう。浴衣を着る際のマナーや、浴衣姿が適したお出かけシーンについては、以下で解説しています。
「浴衣はいつ着る着物?浴衣を着るのに適した時期やマナーなどを解説」
また、浴衣と着物の違いが分からないという人は、以下で解説しているのでぜひご覧ください。
「浴衣と着物の違いは何?具体的な違いやその他の着物の種類などについて解説」
9月:残暑が続く日は透け感のない絽を選ぶ
基本は単衣の着物を着ますが、残暑が続く9月は夏着物を着ることも可能です。ただし、紗のような透け感のある素材は避けて絽を選びましょう。パステルカラーのような淡い色よりも秋らしい深みのある色を選ぶと、季節感のある装いになります。
また、トンボや紅葉などの秋を感じさせる柄を選ぶのもおすすめです。9月に絽を着る際は、着物だけでなく帯の柄や色にもこだわりましょう。
10月:濃い色の単衣を選ぶ
10月は袷を着るのが基本とされているものの、暑い日であれば単衣を着用できます。ただし、季節を意識して重厚感のある色を選ぶのがおすすめです。春向きの薄い色や淡い色の単衣は、避けた方がよいでしょう。
また、日中は暑くても夕方以降は冷えることもあるため、単衣では寒いと感じる可能性があります。長時間外で過ごす際や帰宅時間が遅くなりそうなときは、羽織物を用意しておくとよいでしょう。
特に冬に入ると一層冷えるため、防寒対策を取ることが大切です。以下では、冬に着物を着る際の防寒対策について解説しています。寒い日でも着物を楽しみたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。
「寒い冬でも着物が着たい場合はどうする?おすすめの防寒対策をご紹介」
まとめ
暑さ対策をすることで、暑い時期でも着物を快適に着こなせます。着物や帯の素材に注意したり、便利アイテムを活用したりすることで暑い日も着物を楽しめるでしょう。
なお、着る機会がない着物や不要になった着物がある人は、着物買取専門店の「おお蔵」にぜひご相談ください。着物買取実績が豊富なため、安心してご依頼いただけます。
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