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着物は、日本の伝統として現在でもさまざまなシーンで着用される衣服です。しかし、着物に憧れを持ちながらも、普段着で着るのは恥ずかしいと感じる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、着物を普段着で着るのは恥ずかしいと感じる理由や普段着で着るメリット、デメリットを解説します。また、普段着に向いている着物も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
着物を普段着にするのは恥ずかしいと感じる理由
着物は国内外から評価される美しい衣服です。しかし、普段着で着用することに対して「恥ずかしい」「おかしい」と感じる人もいるようです。その理由について詳しく見ていきましょう。
現代では珍しい格好だから
以前の日本では、着物を普段着として着ることが当たり前でした。しかし、明治時代に入ると欧米の文化が取り入れられる「文明開化」が起こります。これを機に、日本の文化は大きく様変わりし、衣服も和服から洋服へと変化しました。
それから150年以上が経過した現代では、「普段着=洋服」という文化が定着しています。そのため、古くは誰もが来ていた着物も珍しい格好として捉えられるようになりました。
また、フォーマルな場所で着用する礼装という印象が強い点も、着物を普段着にしづらい理由として挙げられるでしょう。
煩わしい格好というイメージがあるから
恥ずかしさに直結する理由ではありませんが、着物は洋服と比較して窮屈な印象があり、着付けにも手間がかかります。その他、手軽に洗濯や管理がしづらい点も着物のデメリットです。
手間のかかる着付けや管理は、視点を変えてみると日本の奥ゆかしさともいえます。しかし、スピードや合理性を求める現代において、手間をかける煩わしさはマイナス要素といえるでしょう。こうした背景から、わざわざ面倒な着物を普段着にすることに抵抗を感じる人もいるようです。
着方に厳しい人に指摘されるから
着物の着方はTPOによってルールが決まっており、特に正式な場では、一般的なルールに従って着用したほうが好印象を与えるでしょう。
普段着として着る場合は頑なにルールを守る必要はありませんが、着物に対して深い知識を持ち伝統を重んじる人の中には、他人の着方が気になり、つい口を挟んでしまう人もいます。こうした人に指摘を受けて恥ずかしい思いをした場合、普段着に着物を楽しみたくても億劫になってしまうケースも多いようです。
着物を普段着にするのは恥ずかしくない!という肯定的な意見も
着物を普段着にすることに対して「恥ずかしい」「おかしい」と感じる人がいる一方で、肯定的に捉えている人も多いです。その理由を3つご紹介します。
ファッションは自由に楽しむもの
多様性が重視される中、他人に迷惑をかけなければ自分らしく生きるべきだと考える人が増えています。
もちろんファッションも個々の自由であり、普段着として着物を着てもおかしくありません。自身が心地良く着られるのであれば、着物も洋服と同様です。着物を普段着にしたいという気持ちを大切にして堂々と着こなせば、周囲の目もさほど気にならなくなります。
着物と洋服を合わせるとおしゃれでかわいい
最近では、着物と洋服を合わせた着こなしをSNSで発信する人が多く見られます。着物とブーツを組み合わせたり、帽子やバッグを取り入れたりとコーディネートはさまざまです。
一見すると和と洋は相反する要素に感じられますが、組み合わせ次第ではおしゃれでかわいい印象になります。また、洋服を合わせることで着物に対するハードルが下がり、普段着としてチャレンジしやすくなるでしょう。このように、着物を独自の路線で楽しむことに対して、好印象を持つ人も増えています。
着物は日本人の体型に合っている
元々、着物は日本人の体型に合わせて作られたもので、普段着として着用されていました。近年は日本人の体型も変わりつつありますが、基本的には着物が合う体型といえます。
また、着物は日本の伝統衣装です。伝統を受け継ぎ、現代でも着物を普段着にしたいと考える人も少なくありません。
着物を普段着にする3つのメリット
着物を普段着にすると、さまざまメリットが得られます。主なメリットとして挙げられるのが以下の3点です。それぞれのメリットについて解説します。
着こなしの幅が広がる
着物を普段着に取り入れると、洋服と着物の両方のファッションを楽しめます。近年、若者が実践しているように洋服と着物を合わせたコーディネートをすると、より着こなしの幅が広がるでしょう。
また、着物は洋服と異なり、基本的に「流行」の概念はありません。そのため、周囲の好みに流されることなく自分らしさを楽しめます。個性的なファッションを楽しみたい人にとって、着物は着こなしの幅を広げるアイテムの一つです。
セミフォーマルな場面で活躍する
着物は洋服とは一味違う華やかさを与え、食事会や同窓会、芸術鑑賞会などのセミフォーマルな場面でも活躍するアイテムです。
洋服の場合、普段着とは別にシーンに合う一着を用意する必要がありますが、着物であれば着こなし方を意識するだけで、きちんとした印象を与えられます。
体型を気にせず着られる
着物を普段着にするメリットとして、体型を気にせず着られる点が挙げられます。洋服の場合、体型にフィットするタイプだとボディラインが気になって恥ずかしいと感じる人も多いでしょう。また、以前は愛用していた洋服でも、体重の増減によって着こなせなくなったというケースもよくある話です。
一方、着物はどのような体型でも着られるように作られています。例えば、痩せていて着物が似合わないと感じている人でも、タオルを巻いて補正するだけで美しく着こなすことが可能です。その他、体型を隠したいという人にも向いています。
その他、着物ならではの良さや着こなしのポイントが知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
「着物の良さってどういった部分?着こなすポイントも把握しておこう」
着物を普段着にする3つのデメリット
着物を普段着にすると多くのメリットが得られる一方で、デメリットもあります。主なデメリットを3つご紹介します。
洋服と違って動きづらい
着物は洋服と比較すると、どうしても動きづらさを感じる点がデメリットの一つです。
例えば着物には袖があるため、家具やドアなどに引っ掛けてしまうこともあるでしょう。また、スカートやズボンとは違い足元が窮屈になりがちで、階段の昇降が難しいと感じるケースも少なくありません。
運転をする際も、操作がしづらく不便でしょう。お腹周りが帯で締められていることから、食後に苦しさを感じることもあります。
着付けに手間がかかる
着物を正しく着るためには手間がかかります。そのため、着物で出かける際は準備時間も考慮して予定を立てなければなりません。
普段着として着る場合はフォーマルな場面とは異なり、ルールを厳守する必要はありませんが、それでもある程度の知識やスキルが求められます。正しく着用していないとだらしない印象を与えかねません。着物の美しさを楽しむためにも、正しい着付けを理解しておくことが大切です。
なお、着物を楽に着る方法が知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
「着物を楽しむために知っておきたい!着物を楽に着る方法とは」
お手入れや保管に気を遣う
着物は着用時だけでなく、着用後のお手入れや保管方法にも気を遣います。洋服であれば基本的に洗濯機で洗って干せますが、着物の多くは簡単に洗濯ができません。中には洗濯機が使えるタイプもあるものの、多くの場合はクリーニングや日頃のお手入れが必要です。
畳み方にもルールがあり、保管にも気を遣います。着物を長く楽しむためにも、正しい管理方法を把握しておかなければなりません。
普段着におすすめの着物5選
着物にはさまざまな種類があります。中でも普段着におすすめのタイプは以下の5つです。それぞれの着物について解説します。
小紋~細かな模様が入ったおしゃれ着~
小紋とは、その名の通り全体に細かな模様がデザインされた着物です。大きく分けると「江戸小紋」「京小紋」「加賀小紋」の3パターンがあり、いずれもおしゃれ着として古くから普段使いされてきました。
現代の洋服に置き換えると「ワンピース」と同じような立ち位置で、会食や観劇などのセミフォーマルな場面に用いられるケースが一般的です。
小紋にデザインされている柄は桜や紫陽花、もみじ、松などの植物や幾何学模様、動物、文字など多岐に渡ります。どの模様も縁起の良いものであり、季節に合わせたコーディネートを楽しめます。
小紋の特徴については以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
「小紋とはどういった着物?特徴や他の着物との違いについて解説」
紬~着崩れしにくく初心者におすすめ~
小紋と同様に、昔から普段着として用いられてきた着物の一つが「紬(つむぎ)」です。代表的な紬といえば「大島紬」を想像する人も多いでしょう。高価なイメージがある紬ですが、機械で織られた製品であれば数万円で販売されています。
元々、紬は庶民が実用的に着用していた着物であり、丈夫に作られている点が特徴です。着崩れしにくいため、着物に慣れていない初心者の人でも着やすいでしょう。小紋とは異なり落ち着いた色合いのものが多く、かわいらしい着物よりもシックなタイプを好む人にもおすすめです。
なお、紬を代表する大島紬の種類や価値については、以下の記事で解説しています。
「大島紬の種類や価値について徹底解説!高額買取される理由を理解しよう」
お召~セミフォーマルでも活躍する高貴な普段着~
お召しとは「お召縮緬(おめしちりめん)」の略称で、「織り」の着物の中でも最上級とされています。
お召しの柄はさまざまなバリエーションがあり、着用場面の幅が広い点が特徴の一つです。例えば縞(しま)模様や絣(かすり)模様は、カジュアルな食事会や観劇でも活用できます。無地のタイプであればきちんとした印象を与えるため、セミフォーマルな場面で着ても問題ありません。
また、質の高いシャリ感と光沢があり着心地が軽いため、着物に慣れていない人の普段着にもおすすめです。
ウール~寒い時期の普段着として活躍~
ウールといえば、洋服ではセーターをイメージする人が多いでしょう。着物にも羊毛で織られた生地で仕立てられたタイプがあります。昭和の半ばにはウールの着物が普段着として流行し、近年でもレトロブームに乗って再び注目を集めています。
木綿の着物と比べてシワがつきにくい上、単衣で仕立てられているため自宅で洗えます。虫食いに注意する必要がありますが、管理しやすい点から見ても普段使いしやすい着物です。
暖かい素材のため、9月から6月にかけて活躍します。長い期間楽しめる着物として人気です。
浴衣~暑い季節の普段着におすすめ~
現代でも着る機会の多い着物として「浴衣」をイメージする人は多いのではないでしょうか。夏祭りや花火大会では毎年着るという人も少なくありません。
浴衣はイベント時だけでなく、普段着としても活躍します。半衿や白足袋などと合わせると落ち着いた印象を演出でき、夏着物として楽しむことが可能です。着付けも難しくないため、暑い季節の気軽な普段着として浴衣を取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、浴衣と着物の違いについては、以下の記事で解説しています。
「浴衣と着物の違いは何?具体的な違いやその他の着物の種類などについて解説」
また、夏に着物を着る際の暑さ対策が知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
「夏の着物で実践したい暑さ対策7選!月ごとの着物の選び方とは?」
まとめ
今回は、着物を普段着で着るのは恥ずかしいと感じる理由や普段着で着るメリット、デメリットをご紹介しました。
現代における着物は正式な場面で着る衣装というイメージがありますが、普段着としても活躍します。普段着であれば、正装時ほど着付けの正しさを意識する必要がないため、気軽に楽しめるでしょう。季節ごとに着物を選んだり、洋服と組み合わせて着こなしたりと楽しみ方はさまざまです。
なお、着物を普段着にしたいけれど、古くなった着物を手放して新たに買い替えたいという人も多いでしょう。不要になった着物がある人は、着物買取専門店の「おお蔵」にぜひご相談ください。着物買取実績が豊富なため、安心してご依頼いただけます。
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